組合ニュース2011第34号

「組合ニュース」は、大阪大学箕面地区教職員組合と全教職員とのコミュニケーションを活発にする目的で発行するものです。
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■■□ 組合ニュース 2011年度 第34号 ■■□■■□ 2012年6月4日 ■■

【1】給与削減!大学が組合に「説明会」を開きました

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【1】給与削減!大学が組合に「説明会」を開きました

6月1日(金)午前10時から約1時間半,吹田キャンパスコンベンションセンター会議
室で,大学当局による組合への「説明会」が開催されました。
大学側からは,尾山労務担当理事と人事課職員9名の合わせて10名が出席しました。
阪大組合,産業科学研究所組合,箕面組合からは合わせて14名が出席しました。

■大学の説明「給与削減は7月1日から行いたい」

給与削減案は,職務の級の下位で4,77%,中位で7,77%,上位で9,77%を基本給
から差し引くというもので,管理職手当は10%削減です。
また,医療職基本給適用者は「いったん引いてから大学が同額補てんする」という形
で実質削減はなしとしたいということです。

■運営費交付金の削減は決まったの?

「運営費交付金削減は決定していないし,まだ時期も金額もわからない」(大学)と
いう状況です。
それなのに,この給与カットをなぜ,今この時期にやるのか,独立法人としての大学
の説明を求めました。

それに対し大学は,「法人の業務の実績と社会一般の情勢に適合させる」とする独立
行政法人の通則法と,本学の給与規程として,「国家公務員の給与改定の状況」と
「大学の財務状況」を勘案して,削減案を決めたと説明しました。

■「復興」にいくら必要?

今回の減額は「復興財源」だと言っていますが,震災復興への必要額はどのくらいな
のか、全体としての必要額がわかってから削減率を決定すべきではないのか?様々な
計算をきちんとしてから提出すべき案だと思わないのか?と問いただしました。

大学は「我々も知りたいことなのであるが、文科省や財務省から具体的に教えられて
いない」と回答しました。
これで,大学として,本当に具体的な検討をした結果出した削減案だといえるので
しょうか?

■「大学の財務状況」が悪いから給与削減?

阪大がHPで公開している「財務レポート2011」では、昨年の大学の現金での資産は
128億6,400万円あるということです。

今回の案では総額28億円程度が教職員の給与から減らされることになります。

ありとあらゆる経営努力をして,ほかに削る所は削って,それでも足りないので給与
を減らす,ということになったのか,またどのような計算で,7,77%や9,77%に
なったのでしょうか?

驚くことに,「私たちは人事課であって財務課じゃないので,財務状況の細かいこと
はわからない」という返事でした。

結局,「大学の財務状況」を点検し,改善し,人件費削減を回避する努力などはろく
すっぽしなかった,ただ単純に,国家公務員の給与削減に”右へならえ”であること
が露呈していました。

■独立法人の「独立性」はいったいどこへ?--削減案は国家公務員とすみからすみ
までまったく同じ

これが「独立行政法人」といえるのでしょうか?

すでに「独立」させた「法人」にたいして,財務大臣が懇談会で「減額したい」と”
発言した”,文科省の”局長通達”で「給与の対応を急げ」と言ってきた,というこ
とを根拠に,交付金削減の事実もないうちに,1割というレベルの給与削減を正当化
しようという話です。

「独立」したのなら,ちゃんと自分たちの財政について自分たちで検討し,他を削っ
てでも教職員の生活の質を守る努力を精一杯払うべきでは?
その上で,苦しい内情をきっちり労働者に説明し,労使が協議を尽くして,給与を決
めるのが「独立」した法人のあるべき姿ではないでしょうか。

■万一そこまで削減がなかったら,みんなの給与にして返還するのか?「余ったらば
らまくわけでない」

交付金の削減額など,まだまったくわからない状況です。
もしかして,給与をこれだけ下げて,後で実は交付金はそこまで削減されていなかっ
た,ということも起こりうることです。

その場合,差額は教職員の人件費として補てんするつもりはあるのか,と問いただし
たところ,
「お金が余ったからみんなにばらまくかというと,そうではない(!)。社会一般状
況にかんがみなければならないとあるから,その時にどうするかを判断する」との回
答でした。

■管理職の職員よりも少ないトップ経営陣の報酬カット

管理職手当で10%になるという,今回の給与カット。給与の1割というと,公務員
「懲戒」レベルの減給です
これだけの減給を提案する阪大経営陣の役員の報酬は,いったいどうなるのでしょう
か?

労務担当理事に「理事の報酬はどのくらいカットなのか」とたずねたところ,「9,
99%」という回答でした(!)。
これは,管理職手当(10%)より少なく,一般の教授らと同率です。
任期制の若い教職員でも大きな削減に見舞われるというのに…
せめて自分たちの分を少しでも彼らに回そうとは思わないのでしょうか。

「経営努力による減給回避」もなく,トップの報酬大幅削減もなく,一律にこれだけ
の痛みを従業員に強いるとは...
民間企業が聞くとあきれる話です。これで,彼らが繰り返すお得意フレーズ「社会一
般の理解が得られ」るのでしょうか?

■震災復興のために大学ができること――それは給与カットか?

3.11後の新たな世界を作るために大学人は何をすべきなのか? 
大学として人材確保や新しい研究などすべきことが山ほどあります。

運営費削減どころか,こういう時こそ,大学という学府には多くの資金を投入して,
医学,工学,社会学,心理学,外国語学,そしてあらゆる分野で,各々の研究分野で
社会に貢献し,日本の再生のために尽くさないといけません。

そんな時に,大学の発想とは,政府・財務相の顔色をうかがい,みずからすすんで教
職員の給与大幅削減をするだけなのでしょうか?
これではせいぜい,みんなの士気を萎えさせ,大学の研究を委縮させるくらいの効果
しかないのではないでしょうか?

そのような「震災復興」のためにあるべき大学としての姿について,何らかのビジョ
ンがあるのか,理事に語ってもらいました。
理事は,「本学でも震災復興のためにいろんな分野で研究を役立ててもらっている。
しかし,給与のことは別の問題だ。国大協としても,声高には人件費を削減するなと
は言えないという話になったと聞いている」とだけ話しました。

■今後もまだまだ続きます

このまま7月1日に始めさせるわけにはいきません。
削減額の合理的説明がまったくできていません。
もしかしたら,年金にも影響が出るかもしれません。
それについても具体的な情報を大学に求めました。

また,総長および国大協の及び腰な姿勢についても,今後問いただしていかねばなり
ません。

箕面キャンパスでは,6月6日(水)午後3時から,人事課が説明会を行う予定です。
みなさんも,この機会にぜひ,直接,疑問や意見を伝えましょう。

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初版: 2012.6.4 ; 最終更新: 2012.6.4
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