■■□ 組合ニュース 2015年度 第 2 号 ■■□■■□ 2015年9月16日 ■■□ (1)安保法案廃案へ向け各種取り組み ■■□ ■■□■■□■■■□■■□ ■■□■■□■■■□■■□□■■□■ (1)安保法案廃案へ向け各種取り組み 憲法違反の安保法案が今月中にも国会で可決されようとしています。私たち大学 人としても法治国家の仕組みそのものを軽視する政治を座視するわけにはいきま せん。阪大箕面地区教職員組合では、8月6日の総会で戦争法案廃案を要求する 特別決議 http://www.union-oufs.jp/archives/union_docs/20150806anpoketsugi.pdf を承認、その後も学内外で行なわれた様々な行動に直接・間接的に参加してきま した。 1)9月1日:豊中キャンパス、阪大教職員有志の会 豊中キャンパスで安保法案の廃案を求める集会が開かれ、主旨に賛同する阪大教 員、学生、また近隣の一般市民や他大の学生等60人が参加、意見を交わした。 前半では2名の阪大教員による基調講演が行なわれた。 呼びかけ人でもある木戸衛一・大学院准教授(ドイツ政治)は、平和学という立 場から、現政権の「積極的平和主義」なる概念の虚妄を批判した。木戸准教授は 安保関連法案の問題点をその背景に渡って明快に説明し、今起きている抗議の声 は、日本がある意味で戦後日民主主義の成熟に達している証拠であると指摘した。 次に、大野光明・特任助教(歴史社会学)は、安倍首相の戦後70年談話を受 け、戦後日本が享受してきた「平和」なるものが、実はすでにアジアや中東にお ける様々な「戦争」を隠蔽する虚構であると指摘、国内の米軍基地やヘイトス ピーチを例示したうえで、このような日本社会のありようを『平和』と定義して はいけないと主張した。日常の光景のなかに入り込んでいる米軍基地などを見て も分かるように、日本人はすでに「戦時体制」に取り込まれているとも言える。 こうした暴力と収奪の構造に改めて目を向け、今回のような法案を通さないよう 主張し続けることが大切である。 2人の基調講演の後、参加者による意見交換が相次いだ。 なかでも、一般市民の間から、政治が暴走しているときに大学の教員や組合組織 が「運動の指針」を示し、率先して行動してくれないと困る、といった意見が相 次いだ。また、世界各地を研究の場とする教員や、世界各地へ留学する学生を多 く抱える箕面キャンパスでは、今法案成立に向け危機感を共有していないのかと いう指摘もなされた。また、この種の政治状況に関して自由に意見を交わし合う 知的風土、体制批判を公言できるリベラルな環境などが、果たして現在の阪大に あるのだろうか?という指摘もあった。 2)9月9日:豊中市民集会&パレード 曽根駅南から豊中市役所付近まで市民数百人によるパレードが実施され、今岡委 員長が下記のスピーチを行ないました。 ***** みなさん こんばんは 今岡良子です 大阪大学でモンゴルの研究をしていま す。安保法案の廃案を求める大阪大学人の会の一員としてスピーチさせていただ きます。集団的自衛権について議論されていますが、イラク戦争の時、モンゴル 軍は平和維持軍の一員としてイラクに出兵しました。今も、続いています。アフ ガニスタンにも行っています。出兵のきっかけは、ブッシュ大統領のテロの側に つくのかどうか、という問いかけについて、反テロ宣言をした先進国が、兵士の 戦死者を増やすことを恐れて、撤退を始めた時期。韓国軍が撤退することが決 まった時に、アメリカから依頼されて、モンゴル軍は出兵することになりまし た。その見返りに、特殊なODAがアメリカからモンゴルに支払われるようになり ました。 最初の年、モンゴル兵に与えられた手当は、1日10ドルでした。モンゴル兵は、 アメリカ兵を自爆テロから守るという任務もこなしました。2年目には20ドルに なりました。これが、現在行われている国連平和維持軍の集団的自衛権の実態で す。 「自衛隊員の命」という言葉に安倍首相は拒否反応をおこして否定します。私 は、腹の中で、「外国の軍隊に頼んでいるから大丈夫」「彼らは士気が高く、し かもコストも安いから」と言っているのではないかと疑っています。90年以降、 日本が積極的にODA外交をしてきたモンゴルやベトナム、カンボジア、ビルマ、 ラオスというアジアの国々の兵士が犠牲になるのではないかと心配しています。 そして、すでに沖縄県民を、関西でしたら岩国の市民を、最近では京都の京丹後 の市民を犠牲にしてきました。戦後、日本は「平和」で、「豊か」で、それを守 りたい、という意見がありますが、米軍基地を押し付けられた地域の人びとには 平和はなく、日常的に暴力を押しつけられてきました。私たちは、その犠牲の上 にのうのうと生きて来たということを認めないといけません。 安保法案の採決の日程が文字になっていますが、戦後70年間、憲法の適用を受け ることなく、しかし、平和のために抗ってきた沖縄の人びとに学ばなければなり ません。 最後に、辺野古で座り込みを続け、沖縄戦のサバイバーであるおじぃやおばぁが 教えてくれたことをみなさんと共有したいと思います。アメリカ政府と日本政府 という二つの巨大な国家権力を相手に、抗って、勝つ方法が1つある。何だと思 う?ご存知の方がいらっしゃるかもしれませんね。それは、「あきらめないこ と」です。あきらめなければ、アメリカ政府、日本政府にも勝つことができる。 70年間、抗い続けたおじぃやおばあが言っているのですから、これは真実です。 私たちも、安保法案の廃案を「あきらめない」、がんばっていきましょう。あり がとうございました。 ***** 3)9月12日、吹田市民集会 千里南公園で安保法案廃案を求める市民集会があり、今岡委員長が下記のスピー チを行ないました。 ***** みなさん、こんにちは 大阪大学人の会の今岡良子です。今日はみなさんと共有 したいことがあります。みなさんは「国連生物多様性条約」を知っていますか? 「2050年までに自然と人間が調和する社会を作る」と約束して、196の国と地域 が署名しました。 2050年って、みなさん、何才になりますか? この条約の背景には、生物の絶滅という深刻な問題があります。この集会が始 まって15分になりますが、今、13分に1種の生物が絶滅しています。恐竜が生き ていた時代には1000年に1種が絶滅していたそうです。それを考えると、この絶 滅のスピードは恐るべき速さです。産業革命以降の生物の絶滅は、すべて、人間 に原因があります。パンダや朱鷺やジュゴンが絶滅危惧種であることはご存知で しょうが、マグロやうなぎやサバという私たちが日常食べている生きものまでも が数年以内に絶滅の危惧にあります。みつばちは、おしべからめしべに花粉を運 びますが、私たちが食べる作物の3分の1がみつばちによって受粉します。しか し、北半球の4分の1のみつばちが害虫駆除の薬品によって死んでいて、私たち はみつばちなしにはキャベツも食べられない。野菜や果物をどうして作るのかと いう問題を抱えています。人間も食べるものがなくなってくると、人間自身が絶 滅危惧種になるかもしれません。 だから、人間と人間が殺しあうことを考えたり、そこに最先端の科学技術や莫大 な資本を投入したり、そんなことしている場合ではないのです。ジュゴンの住む 大浦湾を埋め立てて新基地を建設するなどということは、とんでもないことなの です。残念なことに、今朝、4時頃、キャンプシュワブのゲートに数台の工事車 両が入ったそうです。政府は座り込みしている市民の裏をかくことばかりに、知 恵をめぐらしています。絶滅すべきは、私たちやジュゴンではなく、戦争したが る政治や経済です!21世紀中に絶滅させたいと思います! 生物多様性は、文化の多様性を生みます。文化の多様性は、思想と行動の多様性 を生みます。その社会は、多様な価値を認めない安倍政権、株式会社日本のワン マン社長になりたい安倍首相が作る社会とはまったく異なる社会です。 みなさん、生物多様性を大切にした新しい社会を作っていきましょう。 関東・東北の豪雨で自然の力をまざまざと見せつけられ、自衛隊の人びとが頑張 って救出にあたっておられますが、これからは自衛隊ではなくて、レスキュー能 力のある自然保護官、米軍と戦争の訓練する自衛隊員ではなく、レスキュー設備 に熟知した自然保護官が必要になると思います。 最後に、戦後、私たちは沖縄に基地を押し付けて、その犠牲の上に「平和」と 「豊かさ」を享受してきました。岩国には極東最大の米空軍基地ができてしまい ました。 そして、京都に、京都の京丹後にXバンドレーダーの基地ができてしまいました。 すでに憲法が適用されない地域があり、そこに住む人びとの人生と暮らしには、 日常的に暴力が存在します。今、安保法案の廃案を求めて私たちは闘っています が、これらの地域の人びとを憲法によって救い出し、連帯し、ともに闘っていく 必要があります。 法案が通っても、戦後一貫して抵抗してきた沖縄の人びとの闘い方に学びましょ う。私たちはホモサピエンスです。知恵のある人という意味です。ホモサピエン スの知恵の結晶が、戦力を放棄した9条です。 9条を活かして、人と人が平和に暮らす社会を作っていきましょう 9条を守って、人と自然が調和する地球を2050年までに作っていきましょう。 これからもがんばっていきましょう。 ありがとうございました。 - +-+ -- +-+ -- +-+ -- +-+ - 大阪大学箕面地区教職員組合 TEL/FAX 072-728-7042 E-MAIL union-oum@union-oufs.jp URL http://www.union-oufs.jp/