組合ニュース2010第32号

「組合ニュース」は、大阪大学箕面地区教職員組合と全教職員とのコミュニケーションを活発にする目的で発行するものです。
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■■ □ 組合ニュース 2010年度 第32号 ■ ■ □ ■ ■ □ 2011年3月11日 ■■

 《第32号のヘッドライン》
 
【 1 】36協定の協議始まる。450時間を480時間に。
【 2 】チョコレート大作戦、継続しています。

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【 1 】36協定の協議始まる。450時間を480時間に。

 2011年3月9日 労使交渉 16時30分~17時30分
 於:吹田キャンパス 本部事務機構 1階 入札室

使用者側:前列左手から人事労務室員の教授2名、尾山理事、総務部長、課長、
     課長補佐、後列に人事課職員7名。

労働者側:吹田地区過半数代表、豊中地区過半数代表&補佐2、病院過半数代表、
     箕面過半数代表&補佐

まず、使用者側尾山理事が協定書(案)の説明文を読み上げる。

1つ目の協定は、36協定
・ 36協定の変更点は第4条第1項→450時間を480時間にする
・ その理由:業務改善に取り組み、全学的な超過勤務時間数は減少傾向、しか
  し、来年度は80周年記念事業やG30等々のプロジェクトが山積、超過勤務が
  増加しない保証もない。少なくとも480時間は「保険」として必要だと判断。
  民間企業の場合は540時間から650時間で推移。国家公務員では720時間。
  本学の数値は相当小さいものである。

もう1つの協定は、育児休業
・ 有効期間:2011年4月1日から2012年3月31日まで
・ 育児休業(案)の説明
・ 変更点:第6条→前年までは年度末3月31日までとしていたが、この間特段の
  問題が生じなかったため、有効期間を自動延長としたい。

36協定について、事務方から時間外労働の状況説明:2010年4月から2011年1月末
までのデータで説明。
・ 時間数の平均値:常勤職員事務系135時間、医療系120時間、特定医師を除く
  教員5時間、特定医師305時間、非常勤職員事務系30時間、医療系55時間、特
  定医師を除く教員58時間、医師221時間
・ 全体の平均は113時間。去年117時間なので、わずかに減少
・ 上記のデータを1年間分で換算すると(1.2をかける)、常勤職員事務系162時
  間、医療系144時間、特定医師を除く教員7時間、特定医師366時間、非常勤職
  員事務系40時間、医療系67時間、特定医師を除く教員70時間、医師265時間と
  なる
・ 繁忙期の2、3月を考慮すると、上記の数値より増える可能性大
・ 480時間という設定は、あくまでも1人でも超えてはならないという保険のラ
  インである。今年度については大学全体で超過勤務を減らせたが、360時間を
  超える人が全く存在しないというわけではなく、1月いっぱいまでに360時間
  を超えた者は次の通り:常勤職員事務系11名→これは昨年同月までの実績と
  ほぼ同数
・ 1年間分に換算すると、さらに該当者数が増加することになる
・ 1月までの平均超過時間数は397時間、1年間分に換算すると476時間を超えて
  しまう。
・ ただし、該当者および該当部局の状況や理由は、それぞれ異なる
・ 時間外労働の縮減には大学全体として引き続き取り組む
・ 労基法違反にならないよう、480時間を保険として提示したい

<質疑応答>
吹田:今年度は450時間でできたのだから、来年度もそのままでいけるはずだ。 
大きなイベントがあるからと言って増やすことは納得できない。去年も言ったが、
特別条項そのものが問題だ。450を越えるとテーブルにつく気はないです。360を
越えるという段階ではテーブルにつきます。

使用者:不正防止措置、80周年イベントも控えていることから、中途で450時間
では困るので労使交渉をもう一度お願いしたいという駆け引きはせず、最初から
480時間でお願いしますと正直にお願いしている。

吹田:今は単純に労働時間の話だけをしているが、メンタルヘルスケアが必要な
人はどれくらいいるのか把握しているのか? 360時間を超えると疲れ切る。心身
ともに。そういう側面を考えずに480時間を保険のためにおくのはいかがなものか?

使用者:不正経理の問題等があって、やむを得ず労働時間が増えた人もいる。メ
ンタルヘルスケアは第4条第3項にのっとって行っている。

吹田:どこかの部局の課長が休職したという話は人事に入っているか?

使用者:把握しているが、そういう人が増えているようには感じていない。また、
理由は様々で、家庭の事情というのもある。超過勤務のためだけにメンタル的に
疲労し休職している人ばかりではない。

使用者:安全衛生の方で毎月報告させていただいていると思います。(背景とな
る法が労働安全衛生法なので違うのと、事業場の範囲が違うと言いたかったので
はないかと思います。)メンタルケアを受けた人の数については、当然、産業医
のところにありますが、そのデータは個人情報なので出すことはできません。

吹田:そもそも360時間のみで対応すべきだと思っている。まだそちらが「保険」
だと言うのであれば、私は450時間という大きな保険には入りたくない。

尾山理事:超勤をなくす方向で努力はしているが、やむを得ず450時間を超えて
しまう危険性があるのでお願いしている。

吹田:サービス残業は確実にないんですか?

尾山理事:確実にありません。

吹田:各部局に人員配置を判断してもらって、誰もが360時間を超えないように
手当をしているのではないのか?

使用者:手当はしているが、突発的に困ったことが生じる場合がある。私も年を
とって仕事終わって遊びに行く元気もなくなっている。超勤すれば心身ともにつ
らいのは重々わかっているが、限度いっぱいまで働かせようとかいうことではな
く、4月以降見込まれている業務等を勘案すると480時間が必要だということだ。
1人でも越えると不法となる。不法残業や不正経理やと、また阪大が法やぶりよっ
たで、ということになる。

病院:保険を掛けるというのはおかしい。努力目標を取っ払うことになるのでは
ないか。昨年はICHOシステムを導入するための臨時的な業務があるからという説
明があったが、今、現状維持ができない状況ではないと思われる。

使用者:努力しないということではなくて、いざ450時間を超える人が出てきて
しまうかも知れないとなった際に、再度労使協定のテーブルについて下さいとお
願いするのが間に合うかどうかという不安がある。

豊中:超勤している人がいるかどうかについて、自分の地区のことしかわからな
い。11名の存在を初めて聞いたが、4地区の内訳が知りたい。
 また、1人が360時間で大変な思いをしているなら、それを2人でこなせば何とか
なるのでは? それを考えるのが人事労務室の仕事ではないのか?個人に負担が
偏っているのを是正できないのか? 
 加えて、ICHOシステム導入の効果をそろそろ提示すべきではないか? 超勤が
減ったということのみで喜んでいていいのか? 裁量労働制をとっている教員に
ついては、どういう形でICHOに反映させていくのか? 例えば自動的に事務方か
ら採点業務について問い合わせが来たが、ICHO上での処理状況とは齟齬をきたし
ているのではないのか?

使用者:地区別実績では、豊中2名、附属病院3名、吹田6名、箕面0名だ。人の配
置については手をこまぬいているわけではなく、人員増員もはかっている。個別
に事情を聴いて考えている。ICHOのシステムについては、導入時はかなり混乱を
きたしたが、教員については、出勤簿に書いてもらっていたのをパソコンで入力
することになったので、全体として業務量は減ったのではないか。別途調査を行
う予定である。
教員の残業については、入試監督や採点は、残業ではなく、みなし労働と考える
ことができるというのが、前の豊中代表の質問に答えている。

吹田:最後に特例職員問題に触れておきたい。60名の非常勤職員を常勤にするた
めの措置については評価しているが、そもそも6年で非常勤の首を切ることの方が
問題ではないのか?「阪大に首切られた」と言っている。6年かけて仕事に慣れて
きた人をいきなり辞めさせるということは、つまり、その部署に配属された新人
にその仕事を教えねばならないということだ。それは誰がやっていると思ってい
るのか?
 ICHOシステムからログアウトした後にも業務メールを送っている人だっている。
そのことを把握しているか?残業を減らす努力をするというのは、そういうこと
だ。とにかく、480時間は飲めない。

再協議日程については、人事課から調整案が示される予定。

<補佐人の感想>
 箕面の過半数代表はすごいです。協議内容をワープロで打ち込み。それで、早
くニュースをお届けできるわけです。ご自身の発言中は手が動いていないので、
記録にありません。
 最初に残業の実態報告があり、職種別の残業時間数について、全部読み上げて
くださいました。おかげて、過半数代表者4名、学生のように書き取らなければ
なりませんでした。残業の上限をあげてほしいなら、表にして資料配布するぐら
い用意しろ!と後ろでプンプンしていました。

 使用者側は、「1人でも450を越えると不法となり、『また大阪大学は』と言わ
れる。」と何度も言っていました。大阪大学の名前を気づかう気持ちはわからな
いではありません。でも、「450時間以上残業せざるをえない労働者の健康をま
ず心配し、ケアすることからやるべきだ」という吹田代表の主張はもっともです。
「6年のキャリアを積んだ非常勤職員をやめさせておいて、仕事を減らすってど
ういうことだ」という意見にも同感です。これが団体交渉なら、上限撤廃をしな
ければ、36協定にはんこを押さないと言うのですが。。。。

 本来、36協定そのものが、8時間以上労働を合法化する異常な協定なので、過
半数代表者が一致して反対するのも当然です。もちろん、そのことによってサー
ビス残業が生まれてはいけないことも共通の認識となっています。ご安心を。

 箕面地区は0、ということですが、事業場の概念が違うので、箕面地区で働い
ていても、豊中職員となっている場合も可能性としてあります。

 尾山理事はよくしゃべりましたよー。読み上げるところも多かったけれど、自
分の言葉でよくしゃべったと思います。組合の団体交渉の時は、こちらが心配す
るほど発言できず、若い職員に言葉をさえぎられ、気の毒に思っていたのですが、
こちらが本当のお姿なんですね。


【 2 】チョコレート大作戦、継続しています。

「まだ、もらってないでー」という方も大丈夫。
対話のためのチョコなので、一斉ばらまきはしていないのです。
むしろ、「まだやでー」と言ってくださるとうれしいです。
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初版: 2011.3.23 ; 最終更新: 2011.3.23
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