組合ニュース2010第23号

「組合ニュース」は、大阪大学箕面地区教職員組合と全教職員とのコミュニケーションを活発にする目的で発行するものです。
■■ □ 組合ニュース 2010年度 第23号 ■ ■ □ ■ ■ □ 2010年12月10日 ■■

 《第23号のヘッドライン》
 
【 1 】大阪大学の「異常」な認識 ― 大阪府労働委員会の審問報告 ―

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【 1 】大阪府労働委員会の審問報告

 12月6日(月)午後1時から「大阪大学事件」の審問が開催されました。傍聴
席は組合関係者で満席となり、神戸大学、京都大学、大阪教育大学、大阪府立
大学の教職員組合からも駆けつけていただきました。阪大教職員組合と応援要
請に応えてもらった大学の教職員組合に感謝したいと思います。

<箕面地区の状況と救済命令の必要性を主張> 
 証人として審問に臨む3名に「宣誓」が求められた後、阪大教職員組合側証人
への主尋問と反対尋問が各20分、次に箕面地区教職員組合側証人への主尋問と
反対尋問が各20分ずつおこなわれました。
 主尋問のなかで箕面地区教職員組合は、統合による不利益変更事項が統合後3
年経っても解決しておらず、引き続き重要な交渉課題であることを述べました。
具体的には教員の退職金問題、外国人教員の帰国旅費、非常勤職員の交通費支
給問題、駐車場料金徴収、特例職員などの問題が、統合による労働条件の切り
下げとなっていることを説明しました。ところが大阪大学は、交渉時間を12時
から13時、交渉場所を吹田に限定するため、交渉自体が進まない。このような
状況なので救済命令を出してもらうことが、きわめて重要だと主張しました。
 阪大側弁護士の箕面地区教職員組合側証人に対する反対尋問は迫力がなく、
予定されていた反対尋問時間である20分より短く、反対尋問で何を論証したか
ったのか不明なまま終了しました。

<大阪大学の考える国民目線とは>
 阪大側証人への主尋問の後、反対尋問は組合側弁護士がおこないました。組
合が証拠として提出した13大学の団体交渉が、原則として勤務時間内におこな
われていることの確認と、このことを大阪大学は調査したことがあるのかを問
いました。阪大側証人は、電話で問い合わせたことがあったかもしれないが調
査はおこなっていない。国立大学時代とは違い、各大学法人は法人毎に方針を
決めればいい問題だと述べました。
 続いて組合側弁護士は、阪大が団交時間を昼休みに固執するのは「国民目線」
の観点からだと述べているが、「国民目線」の観点とは何か、これまでに外部
からこのことで指摘されたことがあったのかを問いただしました。阪大側証人
は、外部から指摘されたことはないが大阪市職労や農水省ヤミ専従問題、北海
道教職組の政治資金規正法違反など、公務員は厳しい目にさらされているので、
指摘される前に阪大はおこなっている、と答弁しました。
 組合側弁護士は団体交渉と大阪市職労や農水省ヤミ専従問題、北海道教職組
の問題と同列の問題と考えているのかを追求したところ、阪大側証人は「同様
の問題と考えている」と答えました。
 憲法が保障する労働者の団体交渉権と摘発されている事件と同列にみなして
いるという、大阪大学の「異常」な認識が浮き彫りになった尋問です。憲法28
条で保障されている団体交渉の目的は、大阪大学で働き、日夜、大学に貢献し
ている教職員の労働条件、職場環境の改善をめざすものです。この団体交渉そ
のものを、摘発された事件と同様とみなす認識こそ、「国民目線」の批判にさ
らされるべきです。大阪大学が、大学で働く教職員をバカにしている認識をも
つ全国で唯一の大学とは、恥ずかしい限りです。
 労働委員会は審問の速記録を作成し公開しますので、審問の全記録をご覧に
なりたい方は、今しばらくお待ちください。
 この救済申立の今後の日程ですが、「最終陳述」が来年1月11日(火)16時
30分にあり、「命令検討期間」を経て最終結論は6月までに出る予定です。大阪
大学に対して、不誠実な交渉をおこなった「不当労働行為」是正の命令が出る
ものと確信しています。
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初版: 2011.1.19 ; 最終更新: 2011.1.19
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