過半数ニュース2018年3月26日号

大阪大学箕面地区過半数代表者より箕面地区で働く全教職員のみなさまへのお知らせです。

箕面キャンパスのみなさんへ

3月19日,4事業場(箕面,豊中,吹田,附属病院)の過半数代表者と大学との
間で,来年度の労使協定に関する協議が開かれました。
箕面からは,過半数代表と補佐役など計4名が参加しました。

過半数ニュースでは以下の3本立てで,協議の内容をわかりやすくお伝えします。

過半数ニュース その1「協議の概要(豊中過半数代表事務局まとめ)」
過半数ニュース その2「非常勤職員5年雇い止め・交通費について」
過半数ニュース その3「入試ミスの賠償に関する寄付金募集について」

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過半数ニュース その1「協議の概要(豊中過半数事務局まとめ)」

3月19日、コンベンションセンターで2018年度の労使協定協議が行われました。
大学側の出席は、鬼澤理事、下敷領総務部長、山本人事課長、他人事課職員8
名。労働者側は野呂豊中、小野田吹田、岡本箕面、田中病院の4地区過半数代表
とオブザーバー10名(このうち豊中地区からは4名)でした。
はじめに2017年4月~1月までの時間外休日労働の状況について、配布資料に基づ
き大学側から説明がありました。
同期間に時間外労働をした事務系職員は、吹田922人(89%)、豊中249人
(92%)、病院200人(97%)、箕面25人(96%)で、平均の時間外労働時間は
それぞれ105.8時間、98.5時間、91.0時間、107.5時間でした。これを昨年度の同
時期実績、吹田931人(平均107.1時間)、豊中247人(平均101.7時間)、病院
191人(平均102.1時間)、箕面27人(平均106.2時間)と比較して、時間外労働
時間の平均は減少傾向にあると説明がありました。しかし、1月末時点で、すで
に360時間を超えて36協定の特別条項の適用となった事務系職員が、昨年度の11
人から20人(吹田16、豊中3、箕面1)に倍増。これは、ネットワークからの個
人情報漏えい事故、入試に関わるトラブルなどの突発事案への対処のためによる
と説明されました。過半数代表側からは、特定の職員に時間外労働が集中しない
ように求めました。
個人情報漏えい事故への対処では、深夜・休日にシステム管理担当者から各部局
担当者に通知が行われることもあったが、これらは業務命令による時間外労働で
あったのかが質されました。
さらに、個人情報漏えい事故への対処に、情報処理システムの分析又は設計の業
務を担う裁量労働制の研究員も関わっていたのであれば、それによる追加的労働
は、資料として提出された時間外労働集計に反映されないことになる。これらの
研究員が実際にどのくらいこれに関わっていたかを人事課として掌握するように
求めました。
岡本箕面地区過半数代表は、職員の時間外労働縮減と関わって、有能な人材を継
続雇用できない非常勤職員の雇用期限5年の撤廃を求めました。また、岡本箕面
地区過半数代表と田中病院地区過半数代表は、交通費の支給など非常勤職員の待
遇改善も必要なこととして求めました。
田中病院地区過半数代表は、特定医師等の時間外労働について、人数が時間数と
ともに減少するのではなく、逆に500時間以上で増加する傾向がみられる原因を
質しましたが、大学側は、そのことに問題は発見されないとのみ回答、原因につ
いては掌握していませんでした。田中過半数代表は、特定医師等の上限時間750
時間も縮減へ向けて見直してゆくことが必要と述べました。さらに、病院地区に
おける会議が、17時30分以降に設定されていることが多く、これが時間外労働時
間を押し上げている原因となっていることを指摘しました。
大学側は、2018年度の「時間外労働及び休日労働に関する協定」(36協定)につ
いては、2017年度と同じく、「緊急その他やむを得ない臨時の事由」がある場合
にのみ、月80時間、年間450時間の範囲内で時間外労働を命ずることができるよ
うにする協定の締結を提案。また、「専門業務型裁量労働制に関する協定」をさ
らに2年間継続することを提案しました。これらについては、4地区過半数代表か
ら異議はなく、大学側の提案通り締結されることになりました。
今回の労使協定協議では、重要事案として、野呂豊中地区過半数代表から、東京
大学が非常勤講師を準委任契約から直接雇用に踏み切ったことを受けて、大阪大
学の方針を質しました。非常勤講師も大阪大学の雇用する労働者とされるべきな
らば、非常勤講師を除外して選出された過半数代表の正当性が失われることにな
ります。この点について、大学側は、非常勤講師は指揮命令を受けず、その報酬
も「賃金」ではないと解されるから、総合的に判断して労働者性を認めていない
と説明。
これに対し、野呂過半数代表は、大阪大学が非常勤講師への「報酬」から「給与
所得」として所得税を源泉徴収している問題を指摘。最高裁判例(最判昭和56年
4月24日)は、所得税法上の給与所得を、「雇傭契約又はこれに類する原因に基
づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給
付」と定義。一方、労働契約法では使用者の指揮・命令のもとに働き、その報酬
として賃金を受けている場合には、「労働者」として労働契約法の対象になる
(第2条第1項)としており(厚生労働省「労働契約法のポイント」)、給与所得
を受けているかどうかも労働者性の判断の際に考慮要素になると解されています
(菅野和夫『労働法(第11版補正版)』)。
また、過去に、労働基準法89・90条違反による告発があったが不起訴処分になっ
ているという説明に対しては、野呂過半数代表は、裁判所の判断ではない上、検
察は、ほぼ100%有罪判決が得られるという自信のある事件しか起訴せず、故意
を認定できるか微妙であったことも考慮のうえ不起訴処分にしたとのことであ
り、法的判断が示されているとはいえないと指摘。
その上で、野呂過半数代表は、非常勤講師の就業規則を作り直接雇用に切り替え
ても何ら問題がないはずなのに、なぜ違法のリスクを冒してまで頑なに準委任を
続けようとしているのかと質しました。これに対し、鬼澤理事は、(1)逆に過
半数代表側に現状でどういうデメリットがあるのかを示すように求め、さらに、
(2)労働者の概念は、働き方改革関連法案、労組法、労基法・労働契約法など
の法制度ごとに異なっており、大学としても労働者性を全く認めていないわけで
はないこと(非常勤講師組合との団交にも応じている)、(3)非常勤講師には
時間外労働を命じることは考えられず、常勤の教員と同様に扱う必要はないこと
などを指摘しました。これに対し、野呂過半数代表は、(1)過半数代表の選出
手続に瑕疵が認められるおそれがあることや非常勤講師組合の要求があること、
(2)一般論をしているのではなく、労働基準法・労働契約法上の労働者の範囲
を問題にしていること、(3)非常勤の事務職員は過半数代表者が代表する労働
者に含まれているし、過半数代表は36協定の締結だけを行うわけではないこ
と、すなわち、非常勤講師に労働者性を認めれば就業規則を作成しなければなら
ず、過半数代表はその作成または変更について労働者を代表して意見を述べる役
割があると反論しました。
東大と阪大で同じ非常勤講師が別の扱いを受けるのは、経営者が任意に労働者の
範囲を決めることができることになり、憲法27条に違反するとのオブザーバーか
らの指摘に対して、大学側は、非常勤講師は東大と阪大では全く違うと回答。ま
た、非常勤講師が大阪大学のIDを与えられ、KOANにアクセスすることについて、
個人情報管理規程が契約書に明示されているかとの問いに対しては、契約書に書
かれていなくても、それらは契約に含まれると回答しました。
この他、過半数代表からは、入試採点ミスによる追加合格者支援のための寄付金
が募られていることについて質しましたが、学部長らが自主的にやっていること
で、大学はあずかり知らぬことであるとの回答でした。



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初版: 2018.3.26 ; 最終更新: 2018.3.26
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