2006年1月23日大阪外国語大学長
是永 駿殿大阪外国語大学教職員組合執行委員長
佐々木 猛(印)移籍希望調査の中断を求めるこれまで学内で行われてきた説明会はあくまで説明会であり、決して統合案について構成員の意思を問うたわけではなかった。にもかかわらず、1月20日付で出された文書では、今回明らかになった統合案をもとに移籍希望を調査し、それをもとに教員所属の素案を作る、とある。これでは、構成員は統合案に対する意思表明の機会も十分にないまま、今回の調査に対する回答・不回答が既成事実となって、所属先が固められてしまう懸念がある。事態がこのまま進むなら、当然それは、学長がしないと言明していた強行突破に当たる。われわれはこのような手続きに厳重な抗議を行うと同時に、移籍希望調査の中断を求める。
そもそも、統合のような構成員のすべての生活に関わるような重要な問題は、構成員自体が主体となって意思決定すべき問題だと考えられる。それは、法人化になって、法律上は学長はじめ役員会に決定権限があることになったとしても、学内民主主義の観点からは当然の帰結である。大学当局は、構成員の意見をただ単に参考にする、配慮するというだけではなく、構成員が自らの意思で大学の行方を決めると感じられるような手続きを考えるべきである。
なお、今回の移籍希望調査に関しては、以下のような点でも疑問が残る。
- 移籍希望調査は移籍先各部局について説明があった後に行われるべきであるのに、1月25日に移籍希望の回答が締め切られた後、26日に人間科学研究科の説明会があるのは、明らかに不適切である。
- これまでの説明会においても、言文・言社研究科、人間科学研究科グローバル人間科学専攻、世界言語研究センターの三者について、十分な整合性をもって説明がなされたとはとてもいいがたい。
- 回答の依頼先についても疑問が残る。必ずしも全員に問われたわけではなく、国際文化の教員で前回は回答した人々や、地域文化の教員で前回は多文化共生研究科に希望を出した人々などは除外されている。それについての説明もされていない。
- 移籍希望調査は構成員にとって非常に重要な意味を持つはずなのに、今回を含めこれまでの3回の移籍調査について、一度たりとも事前にどのような趣旨の調査なのか構成員の前で十分に説明されたことがない。