再編統合問題の現状と課題

文書情報:
2005年度定期総会議案書(PDF) (2005年7月23日)より抜粋

再編統合問題の現状と課題

 大阪大学と大阪外国語大学は、法人化後、両大学の中期目標に基づいて連絡協議会(各大学5名、計10名)を設置し、昨年5月より1年余りにわたって統合の協議を行ってきた。だがその中身についてわれわれに知らされることはなく、外大全体で論議する場も設けられなかった。
 以上のような現状を踏まえ、教職員組合ではホームページ上に再編統合問題に関する掲示板を開設し、広く意見を求めてきた。だが情報が開示されていないこともあり、寄せられた意見や、それに対する反応は当初予想したよりも少なかった。指摘された内容の主なものは以下の通りである。

  1. 阪大は大学院の重点化を完了した大学院大学であり、教員のほぼ全員が研究科に所属している。これに対して外大は学部大学であり、教員はすべて学部所属である。こうした根本的なシステムの違いをまず双方が認識し、論議することから始めるべきである。特に阪大の研究科・学部と外大の国際文化学科が合体する場合は、教員の差別・選別に繋がる恐れがあり、この問題を避けて通ることはできない。
  2. 外大の外国語学部の定員172名は阪大にとっては多すぎるはずで、阪大側からは財としてよりはむしろ重荷と感じているはずである。地域文化学科の教員と学生定員は現状のまま確保できるのか。縮小するとすればどのくらいの規模のものを考えているのか。言語文化研究科と重複する、英語、フランス語、ドイツ語などの教員の処遇はどうなるのか。外大の上記専攻語は現状の規模を維持できるのか。
  3. 文部科学省は学部の新設に対して厳しい態度で臨んでおり、これを認めてこなかった。阪大の国際公共政策研究科と外大の国際文化学科を合体させて、新学部を作る案があると聞くが、これはほぼ不可能と考えるべきではないか。特にオシップ(国際公共)は操作定員が多く、定員の多くを法学部などに返さなければならないと聞くし、外大の国際文化学科で、新学部の教育・研究構想に合致する教員はそう多くない。
  4. 定年の年齢の違いや、夜間主など制度上の違いをどのように解決するのか。特に阪大には夜間主がなく、その存在について十分な説明と理解を阪大側に求めているのか疑問である。
  5. 阪大では複数の学部にまたがって、学生課や教務課を置いており、全学的なルールに従えば、外大の職員にはリストラの可能性も出てくる。外大の職員は統合に伴い、整理縮小や大幅な配置転換を迫られることのないように、事前に十分な審議が必要である。

 6月23日の教育研究評議会、さらに7月初旬に各専攻主任、専攻語代表を集め、連絡協議会の中間報告なるものが行われた。教学面について合意した事項に対する報告だったが、資料はすべて回収というものものしさだった。それによると学部については、1)阪大の国際公共政策研究科、外大の国際文化学科を母胎として国際政策学部を新設する。2)外国語 学部を地域文化学科のみで構成し再編する。研究科については1)国際政策研究科の新設 2)地域文化研究科の新設 3)総合言語文化研究科の新設というもので、外大側から見れば2学部3研究科体制になり、大いなる発展ということになるのだが、すんなりと認められるとは思えない。ダメな場合はどうするのか。基礎教育、共通教育を誰が担っていくのか、非常勤予算がゼロになった場合、副専攻語をだれがどのように担当していくのか、こうした基本的な部分の論議が欠落しているようにも思える。 今後ワーキンググループを設置して検討するというが、そのさいに情報を開示して、全構成員の意見を反映させることが重要である。教職員組合でも、阪大の組合との連絡・連携を強め、全学的な討論会などを積極的に計画していきたい。


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初版: 2005.11.2 ; 最終更新: 2005.11.2
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