年頭にあたって

年頭にあたって

大阪外大の教職員の皆さま,旧年は組合へのご支持・ご協力ありがとうございました。職場の旧年を振り返りながら、新しい年への出発に向けて、一言述べさせていただきたいと思います。職場の現状と課題を測る尺度として,“ゆとり”と“誇り”を掲げたいと思います。すなわち,“ゆとり”とは,日々の仕事をふりかえり,健全で充実した労働を継続するための基本的条件のことであり,また“誇り”とは,この職場で仕事をすることに対する意義と充実感を自己確認することです。

法人化以降8か月を経過した現在,私たちが実感する“ゆとり”は確実になくなりつつあり,“誇り”は揺らいでいるように思われます。

なぜでしょうか? 法人化以降の大学の意思決定・執行過程の分節化,およびそれらと教職員の民主的合意形成とのミスマッチが,いろいろな局面で,個々の教職員のストレスと消耗感を蓄積させているからではないでしょうか。また阪大との再編・統合問題は,外大とは何か? 外大の教育と研究とは何か? という最も根本的な設問に対して,さほど多くの時間をかけることなく解答を出すことを求めています。本来,この解答は,外大で働く教職員ひとりひとりが自己をみつめ,それらをすり合わせ,現状を検討する過程で紡ぎだされるべきものです。にもかかわらず,こうした外大の将来を展望する<場>の存在を実感できないことへのある種の焦燥が,“誇り”に対する“揺らぎ”に繋がっているのかもしれません。

組合の新執行委員会が発足して5か月が経ちました。この間,私たちは,法人化という新たな環境に適応するための組織改革―執行委員会と書記局の関係の再構築,「メールマガジン」「kahasu通信」「組合ニュース」への再編,法律事務所との顧問契約,ホームページ学内版の開設―を実施してきました。しかしながら,労使間の良好な信頼関係はいまだ確立されていません。すなわち,従来慣例であった新執行部の学長への「挨拶」をとりやめたいという大学側の意向表明によって,委員長と学長の懇談会開催にこぎつけるまでに40日を要し,さらに,本来,単純な法的手続き上の問題であるはずの安全衛生委員会問題がいたずらに紛糾し,団体交渉における実質的討議がほとんどなされないまま今日にいたっています。

こうした経緯に鑑みるならば,昨年末に開催された第3回団体交渉と昨日の第4回団体交渉は,新執行委員会発足以来,最初の実質的討議であったということができます。第3回交渉において,大学側は,(1)センター試験は本学と入試センターが「業務契約」を取り交わす試験であり,教員と職員に「謝金」という形で支払いたい;(2)支給額は昨年の教員への支給額を下回らない額(時間単価1680円×拘束時間数)としたい,と提案しました。これに対して,組合側は,(1)三六協定と専門業務型裁量労働制に関する労使協定の規定からすれば,本来,センター試験の業務は休日勤務として支払われなければならない;(2)とは言え,大学側の提案に昨年度の支給実績と比較して改善が見られること,および本学の財政状況を考慮して,2つの意見(a.本学独自で実施される入試業務についても団体交渉をふまえて行なわれるべきこと;b.労使間の良好な信頼関係を構築するうえでの緊要な交渉課題に対して,法人化にともなう新たな枠組みとともに法人化以前の実態が周到に考慮されるべきこと)を付したうえで受け入れる,としました。

教職員組合は,労使の信頼関係の確立を緊要の課題と捉え,教職員の雇用と労働条件にかかわる切実な要求を汲みあげその実現に誠心誠意努力いたします。同時に組合は,教職員自らがこの職場の現状と将来を見つめ,ともに考える<場>となることによってしかるべき責任を果たしたいと考えます。このことが私たちの“ゆとり”を獲得し,さらには“誇り”を確固たるものとして再確認することにつながると考えます。

本年も引き続き皆様のご支援とご叱咤を心からお願いいたします。 

2005年1月13日
大阪外国語大学教職員組合執行委員長
田 中 仁


大阪大学箕面地区教職員組合  > アーカイブ  > 組合文書: 年頭にあたって

管理責任者: 大阪大学箕面地区教職員組合
Faculty and Staff Union of Osaka University, Minoh Campus
Home URL: http://www.union-oufs.jp/
初版: 2005.1.13 ; 最終更新: 2005.1.13
[Valid HTML 4.01]