学長と組合の懇談会開催に関する申し入れ

学長と組合の懇談会開催に関する申し入れ

4月以降、私たちの職場は国立大学法人に移行するとともに、大阪大学との再編・統 合の協議が開始されました。国立大学のこれまでの歴史においても比類のない激動の この時期に、法人の代表者であり総括管理者として大学の発展のために日夜心血を注 いでおられる是永学長に、衷心から敬意を表します。とは言え、私たち教職員が置か れたこの激しい変化の行方は見定めがたく、そこから生じる不安は容易に解消するこ とはありません。大学という組織にとって最も肝要な資源は、一人ひとりの教職員で あることに多言を要しません。とすれば、将来への不安に苛まれ続けることにより、 個々の構成員の活力が削がれるならば、組織の存続と発展にとって由々しき事態を招 来するでしょう。正体の不明確な不安は自己増殖するともに、構成員間の状況認識や 課題認識の共有を妨げ、組織の活力を侵食するからです。逆に言えば、正確かつ具体 的な情報の提供によって不安の正体が定まるとともに、お互いが置かれている状況と 課題の認識が共有されるならば、その不安の根源に対して協力して立ち向かう信頼関 係と凝集力が醸成されるにちがいありません。私たちは、この点について大学当局と 共通の認識に到達することができると確信しております。

現在、組合は大学当局と労使協定と労働協約をめぐる交渉を行なっていますが、懇談 会は、こうした交渉とは別途開催されるべき性格のものであると考えます。なぜな ら、交渉とは、労使という立場が違う両者のあいだで、何ごとかについて合意し、あ るいは何ごとかを決定することを目的にして行なわれる協議です。これに対して懇談 会は、同じ大学の構成員としてそれが置かれた状況を確認し、その展望と課題につい ての認識を共有するためになされる意見交換の場であり、同時にそれは、国立大学法 人法の付帯決議21 「法人への移行に際しては、『良好な労働関係』という観点か ら、関係職員団体等と十分協議が行われるよう配慮すること」における、「良好な労 働関係」の具体化であるからです。法人への移行によって、こうした懇談の意義はま すます高まっていると言わなければなりません。残念ながら、現在進行中の組合と当 局の交渉では、双方の立場の違いが議題の優先順位に関する認識のズレをもたらし、 その結果、必ずしも生産的な議論が展開されているとは言えないように思われます。 私たちは、是永学長と組合との懇談会開催が労使の交渉を建設的な方向に再定位する ための有意義な機会であると考えます。

この間、是永学長と松田副学長理事が、多忙の合間を縫って各講座・教室と懇談会を 開催し、阪大との再編・統合問題をめぐる意見交換を行っておられます。私たちはこ の労を多といたします。この問題は教職員の雇用や労働条件に直接に影響のおよぶ性 格の問題ですが、教職員の約半数を組織する教職員組合は、組合員の雇用や労働条件 にかかわる切実な要求を代表するとともに、組織全体の活性化と発展に貢献したいと 考えています。組合と大学当局は、それぞれの立場で、大学の発展という目標を共有 できるのであり、そのためには法人化と再編・統合問題という未曾有の難局における 状況認識と課題認識を共有し、双方の信頼関係を確立することが極めて重要であると 確信します。

<申し入れ>
労使間の信頼関係の醸成および大阪大学との再編・統合問題をテーマとする学長と組 合との懇談会の開催を申し入れます。

2004年8月23日
国立大学法人大阪外国語大学長
是 永 駿  殿

国立大学法人大阪外国語大学
教職員組合執行委員長
田 中 仁 印


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初版: 2004.12.24 ; 最終更新: 2004.12.24
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